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  • 柴田光昇

過焦点距離について学ぼう

こんにちは デジタルライフ・コンシェルジュ 柴田 光昇です。

一眼カメラで写真を撮る場合は撮る状況に合わせて絞りやピント位置を変更します。

そうすることによって背景をぼかして被写体を浮き上がらせたりもできますし

手前から背景までシャープにピントを合わせることもできます。

上の写真は手前の花にピントを合わせて背景をぼかしていますが

絞りを開けたり手前の花に寄ったりすればある程度背景がぼけてくれます。

ただ、ピントが合う範囲がどこまでの範囲なのか把握していないと

自分の表現したい写真が思ったように撮れませんよね。

花の写真とは違いこちらの二枚は前景から背景まで全てピントが合っています。

こういう写真をパンフォーカスといいますが、よくフィルム時代から詳しい方より

絞りを絞ってから手前三分の一程度にピントを合わせればいいよと教わりました。

ただ、レンズの焦点距離によっても合わせる位置が変わってきます。

手前から無限遠までピントが合っていないとパンフォーカスになりません。

ここで大事になってくるのが過焦点距離と呼ばれるものです。

カメラとレンズの組合せによって違いますが手前から無限遠まで

ピントが合っているように見える範囲が一番広くなるピント位置です。

上の図はピント位置によってピントがあっているように見える範囲を表したものです。

無限遠にピントを合わせると過焦点距離より手前にピントが合いません。

無限遠より手前にピント位置を合わせると手前にピントが合う範囲が広がってきます。

逆に過焦点距離より手前にピントを合わせると今度は無限遠までピントが合いません。

このとき過焦点距離にピント位置を持ってくると無限遠から最大限手前まで

ピントが合う範囲を広げて撮ることができるようになります。

過焦点距離にピント位置を合わせた場合は必ずカメラと過焦点距離から

手前約半分の位置までがピントの合う範囲となります。

例えば過焦点距離5mだったとすればピントが合うように見える範囲は

2.5mの位置から無限遠迄ということになります。

撮影時のカメラとレンズの焦点距離との組み合わせで過焦点距離は変化しますが

下記の計算式を使って過焦点距離を求めることができます。

過焦点距離 = 焦点距離 × 焦点距離 ÷ F値 ÷ 許容錯乱円

許容錯乱円とはピントが合っているように見えるかどうか判断するために

使われる数字なのですがフィルム時代から0.026mm~ 0.033mmで計算するそうです。

デジタル一眼のAPS-Cやマイクロフォーサーズではもう少し小さい値になります。

ただ、こんな計算式を使って過焦点距離を求めるのは面倒ですよね。

そこで便利なのがスマホやタブレット用に公開されている

過焦点距離を求めるためのアプリを使う方法です。

色んなアプリがでていますが私が使っているものをご紹介します。

iOS端末でおススメなのは「DoF Table」というアプリです。

まずは自分の使っているカメラとレンズを選択しておきます。

自分のよく使う機材はカメラ、レンズともに「すべて」の表示から

星マークをつけておくと「スター」に切換えたとき星マークをつけた

機材だけが表示されるようになります。

ズームレンズの場合は一番下で使用する焦点距離を設定できます。

①DoF Table の一番下にそれぞれのF値に対応した過焦点距離が表示されます。

PENTAX KP に16mmの焦点距離を使う場合はF2.8で4.88mが過焦点距離となります。

②Table上の青く色のついている所が無限遠までピントが合う組合せです。

F値とピントを合わせる距離の組合せからピントが合う範囲(被写界深度)を

知りたい場合は知りたい組合せをTableの中からタップします。

被写界深度の詳細画面でピントの合う範囲が視覚的に表示されます。

PENTAX KP に16mmでF2.8のF値を使った場合は過焦点距離4.88mに

ピントを合わせれば手前2.47mから無限遠までピントが合うことがわかります。

※下半分の視野&画角とその他の項目は有料版を購入すると表示されます。

Android端末でおススメなのは「Hyper Focal Pro」というアプリです。

Cameraの項目から使用しているカメラを選択します。

Lensの項目から使用するレンズの焦点距離を選択します。

Aperchureの項目から使用するF値(絞り)を選択します。

Subject distanceの項目をタップしuse hfdをタップします。その組合せでの過焦点距離がセットされます。

表示された過焦点距離の右側にあるレ点をタップすると下の画面にピントのあう範囲が表示されます。

PENTAX K-3Ⅱ に18mmでF11のF値を使った場合は過焦点距離1.541mに

ピントを合わせれば手前77cmから無限遠までピントが合うことがわかります。

また、使用するカメラと使用するレンズの焦点距離を選択した後で

右上の方にある四角いボタンをタップすると選択した機材のHfd Table が表示されます。

パンフォーカスの写真を撮る場合はなるべく広角側のレンズを使いましょう。

また、ピント位置が過焦点距離よりも手前になると無限遠にピントが合わなくなるため

過焦点距離よりも少し先にピントを合わせるといいです。

さらに画角に入れたい近くの被写体までの距離が過焦点距離の手前半分までに

入っているのかどうか気を付けることでピンボケを防ぐことができます。

パンフォーカスの写真以外でも被写界深度の範囲を調べながら使うと

自分の意図したピント範囲で写真が撮れるようになりますよ!

 

デジタルライフ・コンシェルジュ

柴田 光昇

パソコンじゅく高森教室(長野)

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