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  • 東禎章

江戸時代の人間コンピューター

こんにちは デジタルライフ・コンシェルジュ 東 禎章です。

2017年6月23日のグーグルのトップに

本庄市出身の江戸時代の国学者、塙保己一(はなわほきいち)が登場。

知らない方も多かったようなのでこの人物を紹介します。

塙保己一は1746年、現在私が住んでいる本庄市児玉町で生まれました。

7歳の時に病気で失明しますが、一度聴いた話を全て記憶する

天才的な記憶力の持ち主で15歳の時に江戸に出て学問の道を志します。

大変な苦労の末、盲人の最高位である検校(けんぎょう)になります。

世のため後のためにと古今の分散した書物を集めてジャンルごとに分類した

群書類従(ぐんしょるいじゅう)を40年かけて編纂(へんさん)しました。

目の見えない保己一は人に本を読んでもらい中身を記憶します。

一度聞いた書物の内容は決して忘れず、

内容もすべて頭の中で分類されていました。

まさに江戸時代の人間コンピューター。

頭に入った書物をどの分類に入れるかは保己一が指示します。

またAパターン、Bパターンなど何通りか存在する書物の内容は、

保己一が頭の中で整理して標準化したストーリーに修正して

話して(アプトプットして)門人に聞かせたそうです。

その保己一が話す文章を門人が筆で紙に書き留めます。

人間がプリンタですね。

その書き留めた文章を版木職人に渡して

反転させた字で木に彫りこんでいきます。 その数17,000枚以上。

両面刷りなので34,000ページ以上の膨大な量の書物です。

保己一は版木を作るとき1枚の板が

20字×10行を2段で掘るように指示しました。

これが現在私たちが使っている原稿用紙になっています。 本庄市児玉町にある塙保己一記念館の駐車場は原稿用紙のデザインです。

ジャンル別に分類された版木の書物はいつでも必要な時に取り出して

墨を塗って紙に印字できるようにしました。

これは現代のオンデマンド印刷のシステムと同じです。

保己一は集めて整理した書物を誰もが読めるようにした図書館の機能と、

いつでも必要な書物を本として印刷できるようにした

出版社の機能を同時に実現しました。

多くの人の助けや協力が無くては絶対に出来ない一大事業です。

それを江戸時代の盲人の保己一が実現したことはすごい事だと思います。

渋谷の温故学会に保己一の残した版木が保管、管理されています。

現在でも版木から刷った書物を購入することができます。

ヘレンケラーは小さいころから母親に

「塙保己一先生をお手本にしなさい」と言われて育ったそうです。 彼女は日本に3回来ていますが、昭和12年の最初の訪問の時、

温故学会に寄り塙保己一の像に触れています。

8月11日には本庄市文化会館で市民による群読劇が開催されました。

私も家族と一緒に見てきました。

本庄市長も老中松平定信役で出演。皆さんプロの役者のように上手で

1200人入るホールに立ち見が出るほどの盛況でした。

本庄市民からとても敬愛されている塙保己一。 保己一の残した実績は現代に生きる私たちにも大きな影響を与えています。

児玉町の塙保己一記念館で上映されている保己一物語です。

 

 

デジタルライフ・コンシェルジュ 東 禎章 パソコン楽習館(埼玉)

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