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  • 須藤健

デジタルと脳〔6〕「反抗期」と「スマホ」

こんにちは、デジタルライフ・コンシェルジュの須藤健です。

思春期を迎えた子供の親であれば多くが遭遇する「反抗期」。

もちろんご自身がその年ごろには同様な反抗期を経験した方が多いと思います。この「反抗期」にはちゃんと理由があるそうです。人間が生きていくために必要なシステムがその中に隠されているのです。

人間の脳の部位には様々な機能がありますが、その中で「偏桃体」という部分は情動的な反応の役割を持つそうです。

人間の脳は生まれてから成長を続け、機能的に完成されるのは25歳位とされています。

ですから思春期の脳はまだ成長過程です。思春期には男女それぞれのホルモンが活発に生成されていくため脳の偏桃体も刺激されることになります。特に偏桃体は恐怖やストレスに対し敏感で周囲の人間のちょっとした言葉や態度に反応してしまうようです。

でも、25歳を過ぎて大人になった脳は機能的に完成されているので「前頭前野」という脳の司令塔とされる部位が恐怖やストレスに反応した偏桃体を上手に制御してくれているのです。

ところが、司令塔である前頭前野の成長は偏桃体に対して遅れてくるため思春期の子供には情動的な反応が制御できずに「反抗」という形が表面に出てしまうのです。

ですから思春期の子供の反抗期というのは成長の過程で起こる自然なことなのですね。

このようにとても自然な現象として発生する子供の反抗ですが、ひとつ気を付けなくてはならないのは現代社会の環境的な状況です。

現代は人間にとって便利で有益な「スマホ」があります。

これは脳科学者の多くが思春期の脳への影響に対して警笛を鳴らしている部分でもあります。

特に文字やスタンプだけで多人数とコミュニケーションが取れるツールはとても手軽に時と場所を気にせず会話を楽しむことができるため利用頻度がとても高いツールです。

思春期の子供の脳はある意味「自然な情緒不安定」な時期です。

実際に思春期の子供によるスマホのコミュニケーションツールを使った事件や事故なども発生しています。

ところが大人としては端的にスマホのフィルタ機能などの利用を考えがちですが思春期の子供は大人に対する反抗心から機械的に制限を強要されることに反発し不信感が増幅してしまいます。ましてや、クラスメイトが持っているスマホを我が子だけ禁止するなど尚更なことです。

「反抗期」と「スマホ」。とても厄介な組み合わせではありますが解決できるのは「人間力」だと思います。

普段から子どもたちと向き合い、信頼関係を作っておくことが大切ではないでしょうか。

子供たちをごまかすことのないコミュニケーションを丁寧に我慢強くとることで機械にはできない子どもの育脳に貢献できるのではないでしょうか。

 

日本ブラッチング協会

Bratching(ブラッチング)は頭のストレッチ運動

Bratching協会HP:http://www.bratching.com/

デジタルライフ・コンシェルジュ須藤健

おとなのAula練馬校(東京) 教室HP:http://www.tomato-p.co.jp/ Bratching協会HP:http://www.bratching.com/

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