Chromebookとは何なのか?
- 横沢聡一
- 2020年8月19日
- 読了時間: 9分
更新日:2020年9月11日
こんにちは デジタルライフ・コンシェルジュ 横沢 聡一です。
PC、スマホ、タブレットのスキ間を埋めるように、最近注目が上がっているChromebook(クロームブック)。
実際に購入して、3か月ほど使ってみました。

私の教室で、こんな話を聞くことが多くなっています。
「以前はPCを使っていたが、次はタブレット・スマホ?」というお悩み。
「小学生の親御さんが子供のプログラミング学習を家でするために、タブレットにするかPCにするか」というお悩み。
オンライン学習などでスマホ以外の端末が必要になったときに、PCはちょっと高価すぎると思う気持ちもわかりますし、その一方、どうせ購入するなら奮発して・・・
そんなお考えの方も多いのではないでしょうか。
コロナ禍では「勉強用端末によって学習効果の格差が生まれている」という議論も最近は聞くようになってきましたので、いよいよ迷うばかりです。
今もって、PCは万能性・処理能力・マルチタスク性能においては一級品ですし、小学生のプログラミングやこれからのことを考えるとしっかりキーボード操作ができるPCは、こと勉強という観点ではスマホよりもメリットがありそうです。
キーボード付きのリーズナブルなPCというと、いままではWindowsPCが有力でしたが、最近もう一つのPCが話題になりつつあります。それがChromebookなのです。
アメリカでは、2018年第1四半期における米国の教育市場でChromebookの出荷台数シェアは56%に達したそうです。(英フューチャーソー ス・コンサルティングによる)
最大の強みは、価格が3万~7万円前後と比較的安いことにありそうです。
そのChromebookですが実は
「2009年11月にChrome OSを発表」
「2011年に製品発表」
と歴史は意外と長いのです。話題にはなりつつも、なかなか普及しなかったのです。
今回は国の施策(GIGAスクール構想)で、小中学校の児童一人ひとり(930万人)それぞれが端末を持つだけの予算が組まれ、いよいよ普及する(かもしれない)段階に来ています。
実際に「GIGAスクール 自治体ピッチ」基本パッケージと紹介されている 42種類のうち
・Windows 14種類
・iPad 11種類
・Chrombook 17種類
となっております。(2020年7月現在)
世の中の認知度では、まだ少数派ですが、少なくとも小学生・中学生の端末としては、有力な候補として認識されているわけです。
今回、私が購入して試したのが、解像度1366×768ピクセルの11.6型ディスプレイを搭載するシンプルで最廉価レベルのChromebookです。このクラスで快適に使えるのかポイントです。
1.そもそもChromebookとは何なのか?
Chromebookは、Google独自のオペレーティングシステム「Chrome OS(クローム・オーエス)」を搭載した、WindowsやMacとは異なる新しいタイプのノートパソコン。
検索だけでなく、動画の視聴や書類作成、画像の編集まで、パソコンでの作業の大半をブラウザ「Google Chrome」で行うのが特徴です。
ほとんどの作業ではGoogle Chromeのみが動作している状態で済むので、CPUやメモリが少ない低スペックなPCでもサクサク動くのがうれしい所です。(負荷が少ないため10時間以上電池が持つ) SSDの廉価版ともいえる、eMMC(※1)がストレージ(データの保存場所)として利用されているのも起動の素早さと、省電力化に役立っています。
※eMMCとは、モバイルノートPCやスマホで使われている記憶装置です。
以下のような特徴があります。

セキュリティも自動的に対応されています。もともとGmailは、ウイルス対策はOKでしたが、OSレベルで「多層防御」という考え方で保護されているので、別途ウイルスソフトなどを入れなくてもよいといわれています。
セキュリティの詳細はGoogleの説明をどうぞ↓
2.実際に使ってみてどうだったか?
(ア) 想像以上に快適
一般的には、PCとタブレットの間ぐらいという説明が多いですが、私が使っての第一印象では、キーボードがしっかりついていることと、概ねWindowsと同様な操作ができること。タブレットというより、簡略化したWindowsパソコンのイメージでした。
(イ)リーズナブルなのにモバイル性能がすばらしい
1kg未満の機種でしたので、家の中での移動が楽ですし、このくらいだと(私の場合ですが)自宅と職場への移動もあまり苦になりません。さらに充電池も10時間以上普通に持ちます。
本機種特有の特徴ですが、スピーカーの質が思いのほか良かったのが嬉しい点でした。キーボード背面のスピーカーのおかげでしょうか、ノートPCにしては、十分な音量、音質。特に早朝、深夜のBGMとして快適でした。
スマホのYoutubeでは、(無料プランだと)別の画面を見ながらYoutubeというわけにはいきませんが、これならPCと同様に“ながら視聴”ができます。これが、実売3万円台中盤、しかも性能的に困ることがないというのは、今までの常識からすると驚異的ですらあります。
(ウ)ブラウザ・アプリ?
ほとんどがブラウザのChromeでの閲覧ですが、中にはアプリで動くものがあります。アイコンだけでは区別がつきません。
例えばYoutube、Twitterなどはスマホと違い、(アプリではなく)Chromeでの閲覧です。
以下がタスクバーの例です。

一方それ以外「Yahoo!天気」や「スマートニュース」「LINE」はGoogleのPlayストアのアプリで動きます。
(「LINE」に関しては、Chromeの拡張機能にて実行するとスマホと同時に使えます)
Playストアのアプリは、原則タッチパネルが前提になっていることが多いので(タッチパネルでない場合は)たとえインストールできても、使い勝手が悪いアプリもいくつかありました。
(エ)オンライン授業には・・・
Webカメラ、マイクも内蔵されているので何も問題はありません。画面が大きい分、スマホより快適です。
(オ)液晶がタッチ操作できた方が良いのか?
これは、その人の使い方によるのではないでしょうか。15インチのノートPCサイズなら、おそらく不要でしょう。11インチ程度だと、電子書籍を読む場合や、WEB一覧の一部でタッチ操作が出来たら便利だと思うケースは確かにありますが、タッチパッドだけで困ることもほとんどありません。
3.ここが気になる? ここがよかった!
今回一番気になるポイントが自宅での使用感です。
「自宅で気軽に使うのであればスマホ・タブレットより、実はChromebookの方が便利ではないか?」
ということを思いながら比較してみました。
(ア)使い心地全般
① SNS閲覧
② 音楽を聴く
③ Youtubeなどの動画閲覧
④ 天気予報・ニュースなどのアプリ
などライトな用途の使い心地は・・・
ライトな使い方がメインであれば、PCより圧倒的にお安く購入できますし、スマホ・タブレットより操作性がよいと感じます。私の使い方からすると、画面の切り替えがほぼPCと同様に行えるのがとても良いところです。
(イ)Officeはどうなる?
Chromebook(グーグル)の立場からすると、基本は「ワード・エクセル」ライクの「Googleドキュメント・Googleスプレッドシート」を使わせたいところだと思います。
もちろん、それで用が済む場合は問題ありませんが、互換性・再現性などでやはり本家Officeを使いたい場合もあることでしょう。
その場合は、Chrome ウェブ ストアから、Office をインストールしてブラウザーの「Office for the web」を使用するか、Google Play ストアからインストールすることができます。
Officeアプリを使う場合は以下のような制限があります。
10.1インチ以下の場合は、Office Mobileでフル機能が使えるが、それより大きい液晶の場合は、無料では閲覧のみになります。 もちろんOffice365(Microsoft365)のサブスクリプション契約を結んでいるユーザーであれば、何も心配する必要はありません。
もし無料で使いたい場合は10.1インチに収めておく必要があります。(それでも、このサイズはタブレットの標準サイズですので、それはそれでいいのかもしれません→ただし10.1インチ以下のChromebookは商品としてはあまり多くない印象です。)
(ウ) PC用のマウス・プリンターはつかえるか?
プリンターはネットワークプリンターだけでなく、USB接続でもつなげられます。WindowsPCとほとんど変わりのない印象です。
マウスに関しては、手持ちのマウスはすべて動きましたが、各周辺機器メーカーと連携して「Works With Chromebook」なるマークを設定。心配な方は、このマークの物を購入すれば動作保証されるようです。

(エ)ショートカットは使える? コピー&ペーストなどのショートカット(例えば「Ctrl+C」「Ctrl+V」)もWindowsPCと同様に使えます。SNSなどの共有や、パスワードのコピペが楽です!
ショートカットの詳細はこちらです。
(オ)F(ファンクション)キーは?
「F1:前ページ」「F2:次ページ」「F3:更新」「F4:全画面表示」「F5開いているウインドウをすべて表示」「F6:暗く」「F7:明るく」「F8:ミュート」「F9:音量下げ」「F10:音量上げ」

WindowsPCの変換の「F7:カタカナ」「F8:カタカナ(半角)」「F9:英語表記」「F10:英語表記(半角)」はどうでしょうか?
実は変換の最中ではF7~F10がWindowsと同様(動きに一部違いはありますが)使えるのです。これを知ったときに、一気にChromebookが使いやすく感じました。
(カ) 画面分割は・・・
WindowsPCでは右半分でブラウザ 左半分でワードを入力などとするときに、「スナップ」と呼ばれる機能が使えました(Windows8ではAeroスナップと言われていました)。 実は最近ChromeBookでも使えるようになりました。やり方もほぼ同じ。
以下の例では、右側ではChromeでのWeb表示、コピペで左側のワードに文章を貼り付けています。

(キ)右クリックは
マウスを使えば簡単な、右クリックですがタッチパッド上ではどうするのでしょうか?タッチパッドを「 2 本の指で押すかタップする」ことによってできます。
Chromebookのタッチパッドでの操作詳細はこちらです。
4.シニア向けにChromebookは奨められるか?
日常のライトな使い道であれば、キーボードがしっかりしている分タブレットより、使いやすいと思います。
WindowsPCでは、難しい1kgを下回る機種もリーズナブル(なんと3万円台)なお値段であります。
PCからタブレットの変更を検討している方のPCの使い方は、おそらくメール・SNS、たまにワードなどの文書作成ぐらいでしょう。
いままでWindows PCを使っていた方が、こういったライトな使い方でリーズナブルなお値段で購入するPCとしては大いにお勧めできると思います。
また、ヘビーユーザーであっても、気軽なサブノートPCとして利用するのもアリしょう。
ここで一つだけ注意。能力的には問題のないChromebookですが、実は機種ごとに更新期限が設定されています。(自動更新ポリシーといいます)
所有している機種は、現状では2024年6月となっているので、丸4年ということでした。
「現状では」と言ったのは、最近このあたりの情報に変更がある旨の報道されているからです。
「2020年以降発売された機種に関しては期限を8年間に延長する」
といった発表がありましたが、Googleからの日本語発表を今回は確認できませんでした。
ここに関しては、引き続き注意が必要かもしれません。
いずれにしても、PCを卒業して、タブレットを検討しているシニア向けのノートPCとしては、かなり有力な選択肢になるのは間違いないと感じました。
Chromebookがシニア向けの気軽なPCとしてお役に立てれば幸いです。
次回は、プログラミング学習のための小学生向けのPCとしてどうなのかを考えてみたいと思います。

デジタルライフ・コンシェルジュ 横沢 聡一 ホームコンじゅく鎌倉教室(神奈川) Facebook https://www.facebook.com/kamakuranikoniko/ ブログ http://blog.goo.ne.jp/kamakuranikoniko 教室紹介 http://kamakuranikoniko.life.coocan.jp/
Comments